『鬼比較』RC-10HGXと型落ちRC-10HGWの違い口コミ レビュー！[東芝]真空圧力IH

🍚 追い真空機能の追加（最大の進化）

RC-10HGXに搭載された追い真空は、加熱しながら追加で真空にして水の空気も抜く機能。これにより真空水で炊飯することで、発生する泡が小さくなり、お米同士がぶつかっても傷つきにくくなる。

真空水は沸くのが早いため煮崩れしにくく、お米の表面が傷つくのを防ぎ、ハリ・ツヤのあるごはんに炊き上がる。新モデルのキャッチコピー「真空水で炊く ハリツヤのある、うるおいごはん」が示すとおり、この追い真空こそが炊き上がりの決定的な違いを生む。

通常の炊飯では、水が沸騰する際に大きな泡が発生し、お米同士が激しくぶつかり合う。これがお米の表面を傷つけ、でんぷんが流出してべたつきの原因となる。追い真空技術により、この問題を根本から解決している。型落ちモデルにも真空ひたし機能はあるが、加熱中の追い真空がないため、炊き上がりのハリツヤに差が出る。

🔥 できたて保温機能で3時間キープ

新モデルではできたて保温12時間機能を搭載。真空機能によって乾燥や黄ばみを防ぎ、ごはんが炊けてから3時間できたてをキープする画期的な保温方法。

家族の食事時間がバラバラな家庭では、遅く帰ってきた人も炊きたてに近い美味しさを味わえる。型落ちモデルは通常の真空保温（白米40時間）のみで、この「できたて」を維持する機能がない。

真空保温と「できたて保温」の違いは大きい。通常の真空保温は乾燥や黄ばみを防ぐが、時間とともに味は少しずつ落ちていく。これに対し、できたて保温は炊き上がり直後の水分量と温度を最適に保ち、3時間は本当に炊きたてのような食感を維持する。朝炊いたごはんを昼に食べても、夕方炊いたごはんを夜遅くに食べても、満足度が格段に違う。

🔬 東芝の真空技術の優位性

東芝は真空技術において業界のパイオニアであり、その技術は「真空ひたし」から「追い真空」へと進化を遂げた。真空環境では水の沸点が下がり、お米への水の浸透が格段に向上する。

特に新モデルの追い真空は、炊飯工程全体を通じて真空環境を活用する点で画期的。単に浸水時だけでなく、加熱時も真空を利用することで、お米本来の甘みと食感を最大限に引き出すことが可能になった。

圧力と真空の組み合わせも東芝ならでは。圧力で高温炊飯を実現しながら、真空で泡を小さくすることで、高温でもお米が踊りすぎない絶妙なバランスを実現。これが「ハリ・ツヤのあるごはん」につながる。

💡 省エネ性能の向上

新モデルは電気代の面でも改善が見られる。年間消費電力量は83.2kWh/年と、型落ちの85.0kWh/年から約2%削減。炊飯時の消費電力量も、エコ炊飯で約3%、匠炊きで約5%削減されている。

毎日使う家電だけに、長期的に見れば電気代の節約効果も期待できる。特に匠炊きでの消費電力量が188.9Whから178.8Whへと10.1Wh削減されたのは注目に値する。

具体的に計算すると、匠炊きを毎日1回使用した場合、年間で約3.7kWhの節約。電気料金を27円/kWhとすると年間約100円の節約になる。わずかな金額に見えるが、10年使えば1,000円。それ以上に、省エネ技術の進化により、同じ美味しさを少ない電力で実現できるようになった技術進歩の証である。

年間消費電力量で見ると、新モデルは83.2kWh/年、型落ちは85.0kWh/年。差は1.8kWhで、年間約49円の節約。エコ炊飯を積極的に使えば、さらに節電効果は高まる。

🧹 細かな改良点

新モデルでは、お手入れコースが「クリーニングコース」に名称変更されている。機能自体は同じで、内釜の汚れやにおいを軽減するための洗浄モードだが、より分かりやすい名称になった。

両モデルとも真空圧力IHならではの高火力で炊き上げるため、内釜の底には銅かまど丸釜による熱伝導の良さと、釜底WAVE 7本による対流促進効果がある。この基本性能は共通だが、新モデルでは追い真空により、その効果を最大限に引き出せるようになった。

つまりRC-10HGXと型落ちRC-10HGWの違いは、追い真空機能による炊き上がりの向上、できたて保温機能の追加、省エネ性能の改善、そして細かな使い勝手の向上が主な違い。

どちらを選ぶべき？

家電販売の経験から一言

東芝の真空圧力IH炊飯器は、真空技術で定評がある。RC-10HGXの追い真空機能は、単なるマイナーチェンジではなく、炊き上がりに明確な違いをもたらす進化。特に冷めてもおいしいごはんを炊きたい人、お弁当を作る機会が多い家庭には新モデルの価値は大きい。

実際に店頭で試食比較すると、追い真空で炊いたごはんは粒の立ち方が違う。一粒一粒がしっかりしていて、噛んだときの弾力と甘みの広がり方が型落ちモデルとは明らかに異なる。できたて保温も実用的な機能で、共働き家庭には特に重宝する。

型落ちモデルも十分な性能を持っているが、毎日使うものだけに、追い真空による違いは体感できるはず。省エネ性能の向上も地味ながら嬉しい改良点。炊飯器は10年近く使う家電なので、長い目で見れば新モデルの進化は価値がある。